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紀の国わかやま国体・大会開催による
   和歌山県への経済波及効果の推計について

常務理事・事務局長  木下 雅夫
主任研究員  中平 匡俊

はじめに

第70回国民体育大会(「紀の国わかやま国体」)と第15回全国障害者スポーツ大会(「紀の国わかやま大会」が、平成27年(2015)年に、和歌山県で開催されます。国体の開催は、昭和46(1971)年の第26回の黒潮国体から44年ぶりとなります。

国体は、競技者のみならず、観戦する人や大会を支える人など様々な方々が一緒になって開催され、地域におけるスポーツ振興、競技力の向上、地域づくり・人づくりなど多方面にわたり大きな効果をもたらします。

関連する経済活動は、大会施設の整備や大会運営をはじめ多くの投資・消費がなされ、県内への経済波及効果も大きいと考えます。今回、本大会が開催されることによる和歌山県への経済波及効果について現時点でのデータをもって推計しました。さらに県内各地域で大会に関連した取組がなされれば、その経済効果は拡大します。

また、大会終了後の本県の経済にとってプラスとなる継続した取組も大いに期待するところです。「大会終了後、どのように施設を活用するか」「大会運営により醸成された住民参画意識を活かしコミュニティ活動をどのように充実させるか」「大会によって訪れてくれた多くの人々にリピーターとなっていただくためにどのような対応が必要か」など、国体を契機とした持続的な経済活性化につながる様々な取組が最も重要です。

全県的な一大イベントの成功にむけて、県民あげての積極的な参画が必要です。そして持続的な経済活性化につなげようという気運の高まりが官民ともに期待され、地域にとってはそのチャンスでもあります。

推計結果

今回の推計は、「施設整備費」「大会運営費」「参加者消費支出」の3項目を対象に、平成17年・和歌山県産業連関表の34部門表を用いて経済波及効果を算出しました。


施設整備費

約279億7000万円


大会運営費

約92億2000万円


参加者消費支出

約76億9000万円

(合計 約448億8000万円)


経済波及効果 641億円

雇用誘発効果 4,450人

試算の根拠、手順等詳細については、以降に記載します。

施設整備費による経済波及効果

  1. 波及効果算出のベースとなる金額は27,970百万円です。これは県有及び市町村有施設の整備費予算です。
  2. 同上金額はすべて建設工事にあたり、全額「19建設」部門へ投入します。
    計画が進み、例えば仮設等の整備費等詳細が把握できれば、「31対事業サービス」部門やその他の部門への投入も考えられます。
項目 金額(百万円) 産業連関表部門
施設整備費 27,970 19建設

大会運営費による経済波及効果

  1. 波及効果算出のベースとなる金額は9,220百万円です。
    2008年〜2011年開催の過去4大会の公表されているデータを基に、それらの平均値(概数)としました。
  2. 同上金額は式典・大会運営に係る経費と見なし、全額「31対事業所サービス」に投入します。
    詳細な計画と経費明細が分かれば、当該部門への投入となります。
項目 金額(百万円) 産業連関表部門
大会運営費 9,220 31対事業サービス

詳細な計画とは例えば以下のように分類されます。

  • 式典関係
  • 開閉会式会場運営
  • 輸送・交通
  • 広報活動
  • 競技運営 等

参加者消費支出による経済波及効果

1.波及効果算出のベースとなる金額は7,690百万円です。算出方法は、以下のとおりです。

◆参加者のべ人数(予測)を以下のとおりします。

日帰り 790,000人
宿 泊 170,000人
  • 日帰りについては、国体が70万人、大会が9万人の予測で、そのうち観覧者は各々55万人と4万人を見込んでいます。
  • 宿泊については、選手・監督・役員等のみの人数であり(国体14万人+大会3万人)、観覧者(家族や友人など応援に訪れる一般者の数)は加算していません。
    また、県外への宿泊者の予測値は未定であり、17万人から除外していません。

◆参加者一人・一日あたりの消費額(予測)を以下のとおりとします。

日帰り 5,000円
宿 泊 22,000円
  • 上記の金額は、2011年山口国体・大会の消費額(概数)を採用しました。

◆参加者の消費総額
 消費額と参加者予想人数より推定される参加者の消費総額はつぎのとおりとなります。

日帰り 790,000人× 5,000円= 3,950百万円
宿 泊 170,000人× 22,000円= 3,740百万円
合 計 7,690百万円

2.産業連関表へ投入するにあたり部門別の金額を推計します。
まず参加者一人あたりの消費について、「宿泊費」「県内交通費」「飲食費」「土産代・買物代」の4つの項目に按分します。

  • 比率は、2011年山口国体・大会の構成比(下表の通り)を採用しました。
項目 日帰り(%) 宿泊(%)
宿泊費 48.8
県内交通費 37.3 16.1
飲食費 22.7 12.9
土産代・買物代 40.0 22.2
合計 100.0 100.0

3.つぎに、消費の内容別(既述の4項目別)に消費額を按分し、各々産業連関表へ投入すべき金額と部門を確定させます。

項目 消費額(百万円) 産業連関表部門
日帰り 宿泊 合計
宿泊費 1,825 1,825 32対個人サービス
県内交通費 1,473 602 2,075 25運輸
飲食費 897 483 1,380 32対個人サービス
土産代・買物代 1,580 830 2,410 ※さらに下記のとおり按分する
合計 3,950 3,740 7,690

土産代・買物代のうち、3割が「22商業」(商品を特定できない購買)、4割が「03飲食料品」、1割が「05パルプ・紙・木製品」、2割が「18その他の製造工業品」と仮定し、該当する消費額(推計値)を確定しました。

土産代・買物代の内訳

按分率 消費額(百万円) 産業連関表部門 備考
(1) 30% 723 22商業
(2) 40% 964 03飲食料品
(3) 10% 241 05パルプ・紙・木製品
(4) 20% 482 18その他の製造工業品
合計 100% 2,410

産業連関表への投入金額

以上の結果、産業連関表への投入金額・部門はつぎのとおりとなります。

34部門表

部門 金額(千円) 摘要
01農林水産業
02鉱業
03飲食料品 964,000 土産代・買物代(2)
04機械製品
05パルプ・紙・木製品 241,000 土産代・買物代(3)
06化学製品
07石油・石炭製品
08窯業・土石製品
09鉄鋼
10非鉄金属
11金属製品
12一般機械
13電気機械
14情報・通信機器
15電子部品
16輸送機械
17精密機械
18その他の製造工業製品 482,000 土産代・買物代(4)
19建設 27,970,000 施設整備費
20電力・ガス・熱供給
21水道・廃棄物処理
22商業 723,000 土産代・買物代(1)
23金融・保険
24不動産
25運輸 2,075,000 県内交通費
26情報通信
27公務
28教育・研究
29医療・保健・社会保障・介護
30その他の公共サービス
31対事業所サービス 9,220,000 大会運営費
32対個人サービス 3,205,000 宿泊費1,825,000千円、飲食費1,380,000千円
33事務用品
34分類不明
合計 44,880,000

投入の結果は以下のとおりです。
  生産誘発額  64,140,728千円(生産誘発倍率1.43倍)

雇用誘発効果(人数)の算出
  和歌山県雇用係数をもって雇用誘発効果を算出した結果は、4,450人となります。

(2012.12)
(執筆者の所属、役職等は発表当時のものです)

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