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資料1 地域通貨「ピーナッツ」視察

日  時 平成15年7月1日(火)〜2日(水)
場  所 ゆりの木商店街(千葉市中央区松波)
コース名 地域通貨「ピーナッツ」学習体験(短縮学習コースB)
説明者 美容室MADOKA 海保 眞(62歳)
(千葉まちづくりサポートセンター運営委員)
参加者 (財)和歌山社会経済研究所
 研究部長 鳥居 昌之
 研究員  西川 暢哉
主な内容 (1)地域通貨「ピーナッツ」視察目的
(2)ピーナッツの現状
(3)ゆりの木商店街写真等
(4)質問・調査事項の回答(別添のとおり)
(5)最近の動き(ここ1年で起こってきたこと)
(6)地域通貨「ピーナッツ」視察の考察
(参考)
 資料1.地域通貨「ピーナッツ」の仕組み
 資料2.LETSの取引イメージ(大福帳も同じ)
(注)なお、(2)及び(5)については、海保氏の発言として記載しています。

(1)地域通貨「ピーナッツ」視察目的
平成14年度の自主研究「地域通貨によるコミュニティの再生」をテーマとして調査研究し報告書をまとめた。引き続き、「地域通貨「わか」による和歌浦地区の活性化」をテーマとして実践活動するにあたり、我々が目指す「コミュニティ及び経済の活性化」と共通する活動をする先進地として、千葉市の地域通貨「ピーナッツ」があり、今後の活動の参考とするため視察をした。
(2)ピーナッツの現状
(ア)ピーナッツのはじまり

NPO法人千葉まちづくりサポートセンター(通称;ボーンセンター)が、3年前に地域通貨を実践するため仲間内で地域通貨の勉強会や実験を行った。その時には、地域通貨「ピーナッツ」は、小切手型であった。しかし、実際に小切手型を商店街で流通させようとすると使えなかった。そこで、村上和彦氏(NPO法人千葉まちづくりサポートセンター)が、大福帳を提案してきた。

地域通貨の勉強会は、内々で3回行なったが、その時は、外国の例が出てくるだけのものであった。しかし、私(海保)は非常に興味を持った。そこで、松波商工振興会の総会に諮ったが、「めんどうだ」との理由で否決された。その理由は、地域通貨が「何であるのか」ということから全くわからない時代であった。

美容室MADOKAの店舗
会の説明者である海保眞氏が経営する
美容室MADOKAの店舗
店舗前に並べられたオブジェ
店舗前に並べられたオブジェ


(イ)ピーナッツの目的

ピーナッツクラブ会員店であることを示す掲示
ピーナッツクラブ会員店であることを示す掲示
地域通貨「ピーナッツ」の目的は、「地域経済の活性化」「住みよいまちづくり」「助け合いの仲間作り」の3点を掲げているが、私はいずれも今までに考えたこともなく新鮮なものであった。お金でない地域通貨を使って、「地域経済の活性化」をする、「住みよいまちづくり」をする、またアミーゴという「助け合いの仲間作り」をするということがどういうものであるかが非常に新鮮で興味を持った。それで、3年前(2000年)の4月にピーナッツクラブに入会し、地域通貨を個人としてはじめた。それで、「商店街を活性化させよう」、「いい町を作ろう」、また「仲間作りをしよう」としてはじめた。


(ウ)ゆりの木商店街の夏祭り

4年前に末廣庵がオープンした時、新しくゆりの木商店街ができたが、この松波地区には、古くから松波商工振興会があったが、10年間くらいはほとんど活動もしていなかった。また、この松波商工振興会は、過去に1度も繁栄したことのない商店街である。それは、道路の対面には大学があり、道路の両側に歩道がある。商店街とは反対の歩道を学生等が駅に行き交い、また裏には高校があり、周囲には生活者が非常に少ない状況で商店街としては非常に環境が悪いことに起因する。

商店街前歩道と風景
第3土曜市や夏祭りが行なわれる商店街前歩道と風景。
右は美容室MADOKA
当初は、商工振興会の中に新たな商店街を作ったということで険悪な状態になった。このゆりの木商店街は、新しくできたために夏祭りをするなどいろいろ活動していたが、3年前に地域通貨をするようになってより活発に活動するようになった。それとともに、商工振興会の役員が80代の会長から50代の会長に世代交代し、役員の総入れ替えにより徐々に双方歩みより松波町の振興という活動に変わってきた。私が、3年前にピーナッツに加入し入会を勧めたが、だれも地域通貨そのものを知る人がいなかった。街の人やお客さんに勧誘をはじめても1ケ月くらいは誰も入会者がいなかった。ある時、マドカ美容室で地域通貨「ピーナッツ」が使えるということで新規のお客さんが来てくれた。そして、唯一のルールである「アミーゴ」いう握手をはじめてした時に非常に不思議な感覚を覚え楽しくなった。その後、徐々に加入者が増え始めた。

その夏に、商店街としての第2回目の夏祭りを行った。その夏祭りに、ピーナッツクラブに加入していた野栄町(のさかちょう)の方々が来てくれて無農薬野菜をピーナッツ10%使用可能ということで来てくれた。また、会員でない知的障害者施設「でい・さくさべ」の方に、施設で作った商品を売りに来てもらうなどの参加型の夏祭りにしていった。この2つの外部の方が参加してくれたことにより2回目の祭りが大変盛り上がった。このゆりの木の祭りは、参加型ということで寄付金等を募らずほとんどお金をかけずに行っている。参加してくれたボランティアの方には、ピーナッツで支払っている(1時間=1,000P)。また、太鼓を打つために来てくれる人などには、ピーナッツとともに食事券だけは出すようにした。また、ボーンセンターもおもちつきなどをしてくれた。この商店街からの出資は、7万円しかしておらず「お金をかけずにする」とともに、また、「参加型のまつりをする」ということで毎年出来るようになった。このお金ではないピーナッツという地域通貨を使って行っているひとつの成功例となった。

(エ)大福帳

お金ではないピーナッツのやり取りは、この大福帳で行っています。大福帳には、「私個人の大福帳」、「お店の大福帳」、そして「ピーナッツクラブ西千葉の大福帳」がある。通常は、「個人の大福帳」と「お店の大福帳」でやり取りをおこなう。「ピーナッツクラブ西千葉の大福帳」は、地域のイベントごとで使用されているものである。例えば、第3土曜市を行ったときのボランティアの方にはこの大福帳から支払うことになる。基本的には、この大福帳には支払いの「−」がつくことになる。受け取りの「+」は会合等を行ったときに、個人から会場使用費・勉強代等としてのものです。

この大福帳につく「+」と「−」の大きさは、お金でないものを渡すわけであるからその大きさは関係がない。例えば、物のやり取りのためにAからBに地域通貨を支払ったとすると、Aには「−」、逆にBには「+」が記帳されるが、実は物を得たAの方が得をしたということになる。これが、お金であれば高い又は安いということになるが、お金でない地域通貨で支払ったということで「アミーゴ」(ありがとう)ということで終わってしまう不思議な関係ができてしまう。

(オ)ピーナッツでの助け合い

私には、今現在地域通貨というものに対しての疑問点というものは一切ない。この地域通貨をいかに生かして行くにはどのようにしたらよいのかということが全てである。「どうやって地域経済の活性化させるか」、「どうやって住みよいまちづくりをするのか」、「どうやって助け合いの仲間作りや交流をするか」ということがすべてである。

私達は、介護・福祉の観点からではなく、商業の立場で地域通貨というものを捉えてきた。例えば、第3土曜市というものを待ち望んでくれている人がたくさんいます。なぜ、楽しいのかと高齢者の方々に聞いてみると、高齢者の方々が外に出て楽しむという機会が少なくなっている中で、福祉の観点から言えば、例えば、独居老人にはお弁当を届けるということになってしまうが、そうではなく街に出ていただいて一緒に食べましょうと私達はしている。それが、いいか悪いかは別として。ご高齢の方々も非常にこの第3土曜市を楽しみにしていて、その方々が何をするかといえば、先ず物を買うわけです。ピーナッツが使える割合はもちろん店により異なります(しかし、来る人にはその割合ではなく)が、買う楽しみがあります。ここに来て、ものを買う、会話をする、交流するなかで最後にアミーゴという握手をすると心がワクワクするそうです。人は、何かをするときに「このようにするといいのではないか」と考えるが、私達は、そのようなことを何も考えたことはない。しかし、来た人にとっては楽しい。だから、その人は(第3土曜市に)行きたくなる。また、この地域通貨は、若い人であっても、ご高齢の方であっても使い方は変わらない。その場で人の交流が起こってくる。ご高齢者の方の所に行って介護するという方法と、出てきてもらって交流をするという2つのやり方があり、ピーナッツのやり方は後者の方です。もちろん前者も必要であるが、場(街)に参加して(来て)もらって、自らが楽しんでもらうというやり方をしています。

(カ)地域通貨の評価

地域通貨といっても、この大福帳だけで何もあるわけではない。問題は、そこに人間が関わって、人と人が自発的に交わって行動したり考えたり仲間を作ったり、そこで起こっていることの評価を地域通貨でしているだけである。つまりは、お金で評価できなかったものを地域通貨で評価しているだけである。

本当は、どうあってどうすべきという人間の活力、こころ、人とのつながりの中で出てくる気持ちを地域通貨で評価しようとするものである。だから、地域通貨の「−」が多い人ほど、街に活気を与えていることになる。「−」が多いということは街で行動をしているということだから。この大福帳に何も書いていない人は、入会してあっても関係ないということ。だから、ここに多く書かれている人がまちを住みよくしているということ。それが、「−」であれ、「+」であれ関係がない。また、使うことも強制せず、やる人同士が、何かをしており、繋がっている関係、また人の生き方が地域通貨であると考えている。人で評価できないこと、お金で評価できないことが地域通貨で評価することが目的で理念であると考える。

(キ)会員勧誘

私達は会員の勧誘、会員を増やそうということはやっていない。なぜなら、会費も設けていないから、活動資金がない。
(大福帳(会員証)は、以前は入会申込書に記入して、センターに送っていたが、現在は、この店でも発行でき個人は日本中どこの方でも入会できる。)

「自主的にしたい人」、「興味のある人」、「地域通貨に携わりたい人」等が少しずつ増えてきている状況である。会社として行なっているのであれば、会員勧誘も行なうが、何分にもボランティアなので自然増で会員勧誘はしていない。ただ、第3土曜市に集まってくれた人には、少し話はするが・・・。現在の会員は700人くらいでボーンセンターが管理している。
(3)ゆりの木商店街写真等
信号より向こう道路左がゆりの木商店街
信号より向こう道路左がゆりの木商店街

ゆりの木商店街の風景
ゆりの木商店街の風景
ゆりの木商店街の風景
ゆりの木商店街の風景
オブジェについて説明する海保眞氏
オブジェについて説明する海保眞氏
オブジェ
オブジェ
街頭を飾るオブジェ
街頭を飾るオブジェ



店先歩道に設置されたウッドチェア
店先歩道に設置されたウッドチェア
店先を飾るオブジェ
店先を飾るオブジェ

憩いの広場に設置されたプランター
憩いの広場に設置されたプランター

憩いの広場に設置されたプランター
憩いの広場に設置されたプランター
店先歩道に設置されたやテーブル
店先歩道に設置されたやテーブル

ごみ置場に設置されたプランター
ごみ置場に設置されたプランター

ゆりの木商店街の掲示とピーナッツクラブ会員店を示す掲示
「緑と花のプロムナード」を目指すゆりの木商店街の掲示とピーナッツクラブ会員店を示す掲示

プランター プランター
千葉市から商店街に支援提供されたプランター

ぎやまん亭
今回、大福帳体験でお世話になったぎやまん亭

ぎやまん亭の店内
ぎやまん亭の店内、
7万Pで提供されたメニュ−敷きの畳と張り替えられた壁紙

(4)質問・調査事項の回答
別添のとおり
(5)最近の動き(ここ1年で起こってきたこと)
(ア)NPOピーナッツクラブ西千葉(2003.5)の立ち上げ

ピーナッツギャラリー
ぎやまん亭内に飾られたピーナッツギャラリー
ピーナッツクラブの活動状況が掲示されている。
真中の女性は、ピーナッツクラブ専従職員の佐久間さん
堂本千葉県知事が、日本でNPO活動するにおいて一番活動しやすい県にしようと「NPO立県」を政策表明した。このNPOの不特定多数の利益のために活動するという趣旨と、ピーナッツクラブの「千葉県民の住みやすいまちをつくる」という村山氏の理念とは同じである。しかし、その一方で千葉県は、予算を使い、人(県職員)も使い、住みよいまちとするために対応しているが、600万県民を抱え財政的に苦しんでいる状況である。そこで、多数の人が活動しやすいNPOを立ち上げ県民のためにというのが堂本知事の理念である。そこで、我々も非営利で活動を行っているということ、またピーナッツクラブとして西千葉で活動する人たちが多くなったということで組織を整備しようということで、NPOピーナッツクラブ西千葉を立ち上げた。これは、活動をしやすくするために事業を実施し、その事業で得たお金をもって、またNPO事業に充てていこうとするためです。

(イ)NPOピーナッツクラブ西千葉の事業

この4月に街路樹の下の花植え事業を初めて千葉東高校、千葉大学、千葉経済大学、敬老会、商店街と地域住民の110名で行った。これが、クラブとして行った参加型で、学生と一緒に行なった最初の事業であった。その後、5月に名古屋市の大曽根中学校から修学旅行の40名が地域通貨ピーナッツクラブの勉強のためということで対応した。これは、その学校の先生がNPO活動をしていたことが、このピーナッツクラブとネットワークが繋がったことによるものであった。また、同校生徒の160名が、“森づくり”、“NPOの勉強”、“地域通貨の勉強”、“東京下町の探検”とそれぞれ分かれて行った。これらを、NPO法人ボーンセンターが総枠の企画を行なった。これは、例えばひとり5万円の費用とすると、50,000円×200人=10,000,000円の観光事業であり、近畿日本ツーリストと提携し千葉房総の農業とこの地域通貨の商業を体験し、東京ディズニーランドに行って帰るとういう観光ルートができたことになる。この観光事業をNPOが仲介したこと、及びその観光ルートに地域通貨が入ったことが非常に大きなことと受け止めている。最近、千葉市がこのことを全国の中学校と高校に広報するためにパンフレットを作った。千葉県内では、川崎製鉄、東京電力、千葉プリンスホテル等の大企業が中心であるが、この小さな名のないゆりの木商店街が地域通貨「ピーナッツ」ということでこの観光パンフレットに記載された。なぜなら、この体験学習会が、県や商工振興会等で行なったのではなく、NPOが実施したという今までとは異なる主体でなされたことによる先例事例となったからである。このように、県内に今までと違った流れが出来てきた。このことは、3年前に地域通貨「ピーナッツ」をはじめたときからすると考えられないことでもあった。これは、お金でない地域通貨を活用してみると1年間は大したことはなくても、2年目に何かが起こるかもしれない、また3年経つともっと何かが起こってくるかもわからないし、またお金でない地域通貨を絶対的に理解できたときには全く新しい何かが起こってくると我々は考えている。

ゆりの木商店街での体験学習の新聞の切り抜き
ゆりの木商店街での体験学習の新聞の切り抜き
また今度、千葉大学(工業デザイン工学科環境デザイン研究室)の清水教室に介護ケアサロンとまちづくりに参加してもらうが、これも地域通貨があったからこそ繋がった。これにより、大学と地域通貨とのネットワークもできてきたし、7月にはハウジングアンドコミュニティ財団の助成事業として「商店街・地域通貨サミットwithピーナッツ」の開催と活動が広がってきたというのが最近の状況である。

このゆりの木商店街で起こった地域通貨「ピーナッツ」が、もうひとつの松波商工振興会を活性化させた。また今度は、天台町に3年間でより改善させたピーナッツのシステムでまちを活性化させようとしている。

(ウ)住民参加のまちづくり

例えば、花の植え込みに行政が花を植えて枯れたときに行政が撤去するスペースと、住民参加による花のスペースとは全く見た目は同じものできれいである。しかし、仮に4月にそのスペースに行政が花を植えたとすると、植えるのも行政、枯れたときに撤去するのも行政と、住民は全く参加しない。何をするかといえば、入れ替え時期に、枯れてきているから水をやりなさい、また撤去しなさいと苦情の電話をするくらいである。しかし、我々の住民参加型では、我々自らが行なう。というように、行政で行なうことも大事であるが、みんなの参加型で行なうことも大事である。その場合に、「花でまちをきれいにしよう」とするときには、プランターではなくオブジェにして、花を多くするのではなく緑を多くしていくこと。それは、花を多くすると何年も続かなくなる。というように、何か形の見えるものをテーマに地域通貨を進めることがいいのではと考える。
(6)地域通貨「ピーナッツ」視察の考察
地域通貨の先進地、千葉市の「ピーナッツ」を視察して感じたことをまとめると以下の通りである。

  1. 地域通貨「ピーナッツ」の成功には、地域通貨を企画する村山氏とそれに惚れ込み実践したMADOKAの海保氏のコンビネーションがうまくいき、全国的に有名になったことが窺える。海保さん一人が、実践したことにより、楽しくて仕方がないといった感じであった。いずれにしても地元を憂い、一生懸命になって実施する人が必要であることを感じた。

  2. ゆりの木商店街の以前の状態が、ハッキリしないが、街路に写真のように花のオブジェ(花の専門家の指導による)があり、このオブジェを自分たちで創り(当然お互いにピーナッツで)、住民参加によりきれいに整備され、きれいな街並みになっていた。明光商店街もこのような街並みに出来ればと思われた。

  3. 地域通貨はお金ではなく、人と人との交流、仲間づくりの手段として位置づけられており、大福帳にいくらあり、いくら貯まったかは問題ではないという感じであった。地域通貨で人との交流、仲間づくりが楽しくて仕方がないといった様子であった。このことは他のお店の人も同じことが言えた。

  4. 「してほしいこと」「できること」による人との交流もあるようであるが、むしろ第3土曜市を独居老人が外へ出て人との交流することを楽しみにしているという。和歌浦地区においても大いに参考となるところである。
(参考)
資料1.

地域通貨「ピーナッツ」の仕組み



資料2.LETSの取引イメージ(大福帳も同じ)

(1)LETSの取引きイメージ

例えば、図1のように、AからFにメンバーの地域(コミュニティ)でサービスの交換に対し地域通貨(コミュニティマネー)が支払われているとする。

LETS参加者間の取引

図1でなされた取引が、
 Aは、Dに対し50単位のサービスを提供する
 Cは、Eに対し20単位、Fに対し30単位のサービスをそれぞれ提供する
 Dは、Eに対し20単位のサービスを提供する
 Eは、Bに対し50単位のサービスを提供する
という内容であったとする。その時の地域通貨の動きを表に整理すると次のようになる。

LETS取引での地域通貨の動き

この状況を図示すると、図2のようになる。つまり、各個人ごとにみると、地域通貨が手元に残っている人もあれば、手元に残っておらず、いわば「貸し」を負っているような形となっている人もいる。しかし、地域全体でみると、プラス・マイナスは均衡しゼロとなっていることがわかる。

LETS取引のバランス

(2)LETSの特徴

LETSの特徴は、手元になければ財・サービスの購入はできない貨幣(円)と異なり、手元に地域通貨がなかったり、「貸し」を負っているような状況でも、コミュニティ内の取り引きに参加できる点にある。
手元に地域通貨が残っている場合(黒字)はコミュニティ内に有益な財やサービスをより多く提供した人であり、「貸し」を負っているような状況の場合(赤字)は今後コミュニティに対して大きな貢献を果たす人材であると考えられている。
つまり、LETSは地域内(コミュニティ相互間)の相互信頼関係に基づいて運用されている。
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