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景気動向調査 No.124  特集

「2021年度における県内事業者の賃上げ」について
「事業承継」について
「現在の業績状況と今後の取り組み」について

調査項目

【「2021年度における県内事業者の賃上げ」について】
  1.正規雇用者の給与額の増減
  2.非正規雇用者の賃金単価の増減
  3.夏季賞与の支給状況
  4.夏季賞与の増減
  5.正規雇用者数の増減
  6.非正規雇用者数の増減
  7.総人件費の増減
  8.今後の賃上げ余力

【「事業承継」について】
  9.事業承継に関する意向
  10.承継に向けた準備
  11.承継を考えていない理由

【「現在の業績状況と今後の取り組み」について】
  12.現在の収益状況
  13.コロナ禍への対応
  14.今後、注力したい取り組み
  15.行政に期待する支援策

調査結果

【「2021年度における県内事業者の賃上げ」について】
正規雇用者の賃金引上げを行った事業者は47.2%で、前年から増加
今後の賃上げ余力は「あまりない」、「全くない」が過半数
【「事業承継」について】
事業承継に関する課題を抱えている事業者は14.8%
「後継者がいない」、「経営の先行きが不安」との理由が多い
【「現在の業績状況と今後の取り組み」について】
足下の収益状況について、「黒字」事業者は38.8%、「赤字」は28.1%
注力する取り組みでは、これまでの「感染対策」、「コスト削減」に代わり
「人材育成・確保」、「販路開拓」、「新規事業の展開」といった前向きな回答が多く見られる

○ コロナ禍への対応として「出張・商談・営業の自粛」を行った事業者は33.5%

○ 旅館・ホテル業の4割弱が「一定期間の休業」を実施

○ 行政に期待する支援策では「資金支援」に加えて、「情報提供」、「企業紹介・マッチング」、「研修・勉強会の開催」との回答が多い

1.正規雇用者の給与額の増減(3月末比)

47.2%が「増加」と回答
昨年度に比べて8ポイント増加

調査時点における正規雇用者の給与額(賞与・残業代除く)の増減(3月末比)を質問したところ、47.2%の事業者が「増加」と回答し、「横ばい」(47.2%)と同じ回答割合となった。

■図表1-1 正規雇用者の給与額の増減(3月末比)

■図表1-2 正規雇用者の給与額の増減(過去調査との比較)

2.非正規雇用者の賃金単価の増減(3月末比)

27.9%が「増加」と回答
昨年度に比べて5.1ポイント増加

調査時点における非正規雇用者の賃金単価(時給・日給)の増減(3月末比)を質問したところ、27.9%の事業者が「増加」と回答した。製造業では、38.1%が「増加」と回答。

■ 図表2-1非正規雇用者の賃金単価の増減

■ 図表2-2 非正規雇用者の賃金単価の増減(過去調査との比較)

3.夏季賞与の支給状況

「支給した」は68.2%
7年ぶりに70%台を割り込む

夏季賞与の支給状況について質問したところ、 68.2%が「支給した」と回答した。「支給した」とする回答は2年連続で減少しており、7年ぶりに70%台を割り込んだ。

■ 図表3-1 夏季賞与の支給状況

■ 図表3-2 夏季賞与の支給状況(過去調査との比較)

4.夏季賞与の増減(前年比)

「増加」は35.5%
昨年度に比べて9.9ポイント増加

夏季賞与を支給した事業者に対して、昨年度と比較しての増減を質問したところ、「増加」した事業者は35.5%となった。昨年度に比べて9.9ポイント増加している。

■ 図表4-1 夏季賞与の増減

■ 図表4-2 夏季賞与の増減(過去調査との比較)

5.正規雇用者数の増減(3月末比)

「増加」は14.9%、「減少」は13.3%
昨年度に比べて「減少」が2.2ポイント増加

調査時点における正規雇用者数の増減(3月末比)を質問したところ、14.9%の事業者が「増加」と回答し、「減少」は13.3%だった。「減少」事業者は昨年度に比べてわずかに増加。

■ 図表5-1 正規雇用者数の増減

■ 図表5-2 正規雇用者数の増減(過去調査との比較)


6.非正規雇用者数の増減(3月末比)

「増加」は10.6%
昨年度に比べて3.4ポイント増えたが、一昨年度比では少ない

調査時点における非正規雇用者数の増減(3月末比)を質問したところ、10.6%の事業者が「増加」と回答し、「減少」は10.8%だった。「増加」事業者は昨年度に比べて3.4ポイント増えたが、一昨年度に比べると少ない。

■ 図表6-1 非正規雇用者数の増減

■ 図表6-2 非正規雇用者数の増減(過去調査との比較)

7.総人件費の増減(前年比)

「増加」は39.9%
昨年度に比べて4.6ポイント増えたが、一昨年度比では少ない

総人件費(福利厚生費含む)の増減(前年比)について質問したところ、「増加」したとする事業者は39.9%となった。昨年度に比べて「増加」との回答は4.6ポイント増えたが、一昨年度に比べると少ない。

■ 図表7-1 総人件費の増減

■ 図表7-2 総人件費の増減(過去調査との比較)

8.今後の賃上げ余力

「あまりない」、「全くない」が過半数
一昨年度に比べて大きな変化なし

今後の賃上げ余力について質問したところ、「あまりない」(46.2%)と「全くない」(16.3%)との回答を合わせると62.5%を占めた。一昨年度と比較した場合、「全くない」とする回答がやや増加したものの、「あまりない」、「全くない」を合わせた回答割合に大きな変化は見られなかった。

○一昨年度に比べて、商業で「あまりない」、「全くない」との回答が増加

産業別に見た場合、「あまりない」、「全くない」との回答は、一昨年度に比べて、建設業と製造業で減少する一方、商業で増加している。

■ 図表8 今後の賃上げ余力

9.事業承継に関する意向

「考えている」は59.7%
製造業では65.0%が「考えている」と回答

事業承継に関する意向について質問したところ、「考えている」との回答が59.7%を占める一方、「考えていない」との回答も40.3%見られた。

○製造業では「考えている」が65.0%

産業別に見た場合、「考えている」との回答は製造業で65.0%とやや多く、建設業で56.3%と比較的少ない。

○生活関連サービス業では「考えていない」が64.3%

業種別に見た場合、「考えていない」とする回答は生活関連サービス業(64.3%)、飲食料品小売業(61.9%)、鉄鋼・金属製品製造業(56.3%)で多くなっている。

■ 図表9 事業承継に関する意向

10.承継に向けた準備

事業承継を考えている事業者のうち
55.9%は「今後、準備をする予定」で、「やり方がわからない」は3.9%

事業承継について「考えている」と回答した事業者に対して、承継に向けた準備を行っているか質問したところ、「今後、準備する予定」との回答が55.9%と過半数を占めた。「準備をしている」との回答は34.1%となっており、「やり方がわからない」とする回答は3.9%と少なかった。

○建設業で「今後、準備をする予定」との回答が7割弱を占める

産業別に見た場合、建設業で「今後、準備をする予定」とする回答が69.4%と多くなっている。

■ 図表10 承継に向けた準備

11.承継を考えていない理由

「まだ考える時期ではない」が44.7%で最多
「後継者がいない」は17.4%、「経営の先行きが不安」が15.1%

事業承継について「考えていない」と回答した事業者に対して、その最たる理由を質問したところ、「まだ考える時期ではない」との回答が44.7%で最も多かった。次いで「後継者がいない」(17.4%)、「経営の先行きが不安」(15.1%)、「自分の代限りと決めている」(11.4%)との回答が多く見られた。

○商業で「後継者がいない」、「経営の先行きが不安」との回答が比較的多い

産業別に見た場合、「まだ考える時期ではない」とする回答が、建設業、製造業、サービス業で過半数を占める一方、商業では21.7%にとどまる。「後継者がいない」とする回答は、商業(27.5%)、建設業(22.0%)で多く、「経営の先行きが不安」とする回答は、商業(23.2%)で多い。

■ 図表11 承継を考えていない理由 (※ 最も当てはまる理由を1つ選択)

(参考) 事業承継に関する課題を抱える事業者

事業承継に関する課題を抱える事業者は全体の14.8%
小売業、飲食業では約3割を占める

事業承継について、質問9・11の回答状況を踏まえ、「後継者がいない」、「経営の先行きが不安」、「引き継いでもらえると思えない」との理由から、事業承継を「考えていない」事業者を、「事業承継に関する課題を抱える事業者」として、再集計したところ、全体の14.8%を占めることがわかった。

○職別工事業、飲食料品小売業では約4割

業種別に見た場合、事業承継に関する課題を抱える事業者は、職別工事業で38.5%と多く、次いで飲食料品小売業(38.1%)、その他の小売業(35.7%)、衣料品小売業(33.3%)などで多い。コロナ禍の影響が大きい飲食業でも30.8%と高い割合となっている。

■ (参考)事業承継に関する課題を抱える事業者割合

12.現在の収益状況

「黒字」が38.8%、「赤字」は28.1%
「黒字」は建設業で多く、「赤字」は商業で多い

7〜9月期における収益状況について質問したところ、38.8%事業者が「黒字」と回答する一方で、28.1%は「赤字」とした。

(※)全国の中小企業を対象に中小企業庁及び中小企業基盤整備機構が実施した「中小企業景況調査」では、7〜9月期の「黒字」事業者割合は17.4%、「赤字」は34.5%となっている。

○建設業で「黒字」が過半数を占める一方、商業では「赤字」が34.8%と多い

産業別に見た場合、建設業で「黒字」は56.3%と過半数を占める一方、商業では「赤字」が34.8%で、「黒字」(30.4%)を上回っている。

■ 図表12 現在の収益状況

13.コロナ禍への対応【複数回答可】

依然として「出張・商談・営業の自粛」が33.5%と多い
旅館・ホテル業の4割弱が「一定期間の休業」を実施

コロナ禍に関する対応について質問したところ、「出張・商談・営業の自粛」との回答が33.5%で最も多くなっている。「営業時間の短縮」(14.3%)、「従業員の一時休業」(11.1%)、「一定期間の休業」(7.9%)とする回答が次に多い。長引くコロナ禍において、依然として多くの事業者が通常通りの事業活動を実施できない状況にある。

○2020年4〜6月期に比べて、「営業時間の短縮」、「休業」を行う事業者は減少

初めて緊急事態宣言が発令された2020年4〜6月期、2度目の宣言が発令された21年1〜3月期と比較した場合、ほぼ全ての項目で実施割合は低下している。特に、20年4〜6月期と比べた場合、「営業時間の短縮」、「従業員の一時休業」、「一定期間の休業」を行う事業者は大きく減少している。

○旅館・ホテル業の38.1%が「一定期間の休業」を実施

業種別に見た場合、コロナ禍の影響の大きい業種では、「営業時間の短縮」、「一定期間の休業」の動きが続いている。旅館・ホテル業では38.1%が「一定期間の休業」を実施し、衣料品小売業の50.0%、飲食業の61.5%が「営業時間の短縮」を実施した。

■ 図表13 コロナ禍への対応(過去調査との比較)

※(注)図中の「項目なし」は、当該調査では選択肢として含まれておらず、回答結果がないことを意味する。

14.今後、注力したい取り組み【最大3つまで選択可】

今後注力する取り組みでは、これまでの「感染対策」、「コスト削減」に代わり
「人材育成・確保」、「販路開拓」、「新規事業展開」といった前向きな回答が多い

今後、注力したい取り組みについて質問したところ、「人材確保・育成」が32.7%で最多となっており、次いで「販路開拓」(28.3%)、「新規事業の展開」(23.8%)との回答が多く見られた。また、2021年6月に実施した調査では「これまで注力してきた取り組み」を質問しており、今回の結果と比較すると、取り組み内容に変化が見られた。

■ 図表14-1 今後、注力したい取り組み(最大3つまで選択可)

■ 図表14-2 これまで注力してきた取り組み(複数選択可) ※2021年6月調査

15.行政に期待する支援策【複数選択可】

「資金支援」が46.1%で最多ながら
「情報提供」、「企業紹介・マッチング」、「研修・勉強会の開催」との回答も多い

質問14「今後、注力したい取り組み」において、行政に期待する支援策を質問したところ、「資金支援(補助金・低利融資等)」(46.1%)に加えて、「情報提供(セミナー開催等)」、「企業紹介・マッチング」(19.2%)、「研修・勉強会の開催」(18.0%)、「専門家紹介・派遣」(17.4%)との回答が多く見られた。

○「人材育成」、「販路開拓」、「新規事業展開」に対する支援策への期待が強い

質問14「今後、注力したい取り組み」では、「人材育成・確保」、「販路開拓」、「新規事業展開」との回答が多く見られた。これらの取り組みに対して、「資金支援」のみならず、「情報提供」、「企業・紹介マッチング」、「研修・勉強会の開催」などを通じて、関連情報や取引先・連携先を紹介して欲しいとの施策ニーズが多いことがわかった。

■ 図表15 行政に期待する支援策【複数選択可】

おわりに

○7〜9月期の県内景況BSIは0.5ポイント下降

7〜9月期の県内景況BSIは0.5ポイント下降した。新型コロナ感染「第3波」に見舞われた昨年10〜12月期以降、県内景況BSIは一進一退の状況にある。7月中旬以降の感染「第5波」では、県内においても1日の新規感染者数が90人に達し、人流は大きく減少した。その結果、小売業、飲食業、旅館・ホテル業の景況BSIは極めて低い水準で推移している。製造業の景況BSIは改善基調にあるが、一部の業種(機械・機械部品製造業等)には足踏み感も見られ、好調な建設業についても、景況BSIは2期連続で下降している。このような状況の中で、資源価格の高騰もあり、仕入価格の上昇懸念が強まっている。また、業況が改善する事業者では、人手不足感が再び強まっており、様々な課題が混在している。

○10〜12月期(見通し)の県内景況BSIは、新型コロナの感染状況改善もあり上昇する模様

10〜12月期(見通し)の県内景況BSIは3.6ポイント上昇する模様。新型コロナの感染状況に落ち着きが見られることもあり、小売業や飲食業などで業況改善期待が高まっている。ただし、旅館・ホテル業、生活関連サービス業では、先行き不安が強く、景況BSIは下降する。また、原油価格の高騰が続いており、仕入価格の上昇懸念は強い。国内では、自動車工業を中心に10月以降も、部品供給網の乱れから、生産量を調整する動きが見られ、県内製造業への影響が心配される。

○全国で広がる「新たな取り組み」

9月30日、東京都や大阪府等に発令されていた4度目の緊急事態宣言が一斉に解除となり、人出は徐々に回復している。ただし、ワクチン接種で先行した英国などにおいて、新型コロナ感染が再拡大するなど、コロナ禍の収束は依然として見通せず、ウィズコロナ(コロナとの共存)を前提とした取り組み・工夫が求められている。

その中で、前述の通り、県内事業者の取り組み内容には変化の兆しが見られる。これまでの「既存事業の見直し」や「業務効率の向上」に代わり、「販路開拓」、「新規事業展開」といった前向きな活動に取り組もうとする事業者が増加した。このような取り組みに対して、国は「事業再構築補助金」を用意し、設備投資費用などを支援している。第2回目までの公募結果が発表されており(10月27日時点)、全国で17,352社が採択された。県内でも146社が採択されており、今後、事業再構築に向けた動きが活発化するものと考えられる。

(※)「事業再構築補助金」については、中小企業庁「事業再構築補助金」のウェブページに採択事例が掲載されている。生鮮食品の仕入力を活かして飲食業界に挑戦する食品卸、情報通信機器に関する専門知識を活かして工場の自動化コンサルティングに進出する機械卸など、自らの強みを活かし、需要のある分野に参入する事例などが多数掲載されている。

掲載ウェブページ : 中小企業庁ウェブサイト内「事業再構築補助金」

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