ホーム | サイトマップ | リンク

ホーム > 和歌山県内の動向 > 景気動向調査 > 景気動向調査 No.112

景気動向調査 No.112  特集

「平成30年度における県内事業者の賃上げ・設備投資」について
「外国人の雇用」について

アンケート趣旨

今回の特集アンケートでは、定期的に質問を行っている「県内事業者の賃上げ・設備投資」に加えて、「外国人の雇用」をテーマとした。外国人については、日本政府が外国人労働者の受け入れ拡大を表明した。今後は建設、介護など人手不足感の強い業種において、(比較的単純な職種を含め)、外国人労働者が増加することが予想される。そこで、今回の調査では、現時点での外国人雇用の有無、今後の採用意向について質問を行った。


調査項目

【「平成30年度における県内事業者の賃上げ・設備投資」について】
  1.正規雇用者の月例給与額の増減
  2.非正規雇用者の賃金単価の変化
  3.夏季賞与の支給状況
  4.夏季賞与の支給額の増減
  5.正規雇用者数の増減
  6.非正規雇用者数の増減
  7.総人件費の増減
  8.人件費の増加が収益に与える影響
  9.設備投資の実施及び予定
  10.設備投資による業績への影響

【「外国人の雇用」について】
  11.外国人雇用の有無
  12.外国人の雇用形態
  13.外国人を雇用する理由
  14.日本人を採用できない場合、外国人を採用(増員)するか
  15.今後どのようにして事業を継続するか

調査結果

【「平成30年度における県内事業者の賃上げ・設備投資」について】
月例給与額を引き上げた事業者は54.6%。4年連続で半数を上回った
設備投資を実施または実施予定の事業者は31.8%で、前年とほぼ同水準

○ 非正規雇用者の賃金単価を「引上げた」事業者は36.6%。平成26年度以降、増加傾向

○ 夏季賞与の支給事業者は72.1%。前年度とほぼ同水準

○ 総人件費が「増加」したとする事業者は51.4%。平成28年度以降、増加傾向

○ 平成30年度の設備投資について「あり」とする回答が31.8%。前年度とほぼ同水準

○ 設備投資による業績への影響では「売上高の増加」が38.0%で最多

【「外国人の雇用」について】
外国人を雇用している事業者は7.4%
今後、外国人を採用(増員)する意向の事業者は28.9%

○ 雇用形態としては「正規雇用」59.3%、「技能実習生」29.6%、「留学生」18.5%

○ 外国人を雇用する理由としては「日本人の採用が困難」が58.0%で最多

1.正規雇用者の月例給与額の増減(前年度比)

月例給与額を増加させた事業者は54.6%
平成27年度以降、4年連続で過半数を占めている

平成30年度の月例給与額(※)が前年度に比べてどの程度増減(定期昇給含む)しているかを県内事業者に質問したところ、「増加」したとする回答は54.6%、「横ばい」は42.9%となった。増加幅に関しては、「2%以上3%未満」が16.9%で最も多く、「1%以上2%未満」が16.4%で続き、「3%以上の増加」は12.8%だった。

(※)賞与及び時間外手当は除く

○商業で「増加」との回答が増えた

産業別では、製造業やサービス業で「増加」したとする回答が多くなっている。前年調査(平成29年9月実施)との比較では、商業で「増加」との回答が増えた。

■図表1-1 正規雇用者の月例給与額の増減[前年度比] (全産業721社)
※アンケートを回収した780社のうち、無回答59社を除く721社が対象。
図表1-1 正規雇用者の月例給与額の増減[前年度比]

○「増加」させた事業者数は過半数

当質問は平成26年度以降、継続して聞いており、図表1-2は今回を含めた5回分の調査結果を示したものである。

図表を見ると、前年度に比べて月例給与額を「増加」させた事業者は平成27年度以降、5割超の水準で推移している。また、「3%以上増加」させた事業者は12.8%となっており、前年度に比べて増加した。

■図表1-2 平成26〜30年度における月例給与額の増減 [全産業、各前年度比]
図表1-2 平成26〜30年度における月例給与額の増減
※景気動向調査の過去調査を参照している。

2.非正規雇用者の賃金単価の変化(前年度比)

非正規雇用者の賃金単価を「引上げた」事業者は36.6%で
平成26年度以降、増加傾向にある

平成30年度における非正規雇用者への賃金単価(時給、日給、月給単価等)が前年度に比べてどの程度変化したかを県内事業者に質問したところ、61.8%の事業者が「横ばい」と回答し、「引上げた」との回答は36.6%となった。引き上げ幅に関しては、「3%以上の引上げ」が10.3%、「3%未満の引上げ」が26.4%となった。

○製造業で「引上げた」とする回答が増えた

産業別では、製造業とサービス業で「引上げた」事業者が多い。前年調査(平成29年9月実施)との比較では、「引上げた」事業者割合は製造業では10.0ポイント上昇したが、建設業では11.4ポイント下降した。

■図表2-1 非正規雇用者の賃金単価の変化[前年度比] (全産業595社)
※アンケートを回収した780社のうち、無回答185社を除く595社が対象。
図表2-1 非正規雇用者の賃金単価の変化[前年度比]

○「引上げ」事業者は増加傾向

当質問は平成26年度以降、継続して聞いており、図表2-2は今回を含めた5回分の調査結果を示したものである。図表を見ると、賃金単価を「引上げた」事業者は緩やかながら増加傾向にあることがわかる。

■図表2-2 平成26〜30年度における賃金単価の変化 [各前年度比]
図表2-2 平成26〜30年度における賃金単価の変化 [各前年度比]

3.夏季賞与の支給状況

72.1%の事業者が夏季賞与を「支給した」と回答
前年度調査の71.8%とほぼ同水準

平成30年度における夏季賞与について、その支給状況を県内事業者に質問したところ、72.1%の事業者が「支給した」と回答した。

○「支給した」とする回答は建設業で多い

産業別に見ると、建設業で「支給した」とする回答割合が8割強となる一方で、商業、サービス業では7割前後となっている。

■図表3-1 平成30年度夏季賞与の支給状況(全産業725社)
※アンケートを回収した780社のうち、無回答55社を除く725社が対象。
図表3-1 平成30年度夏季賞与の支給状況

○「支給した」とする回答割合は前年調査とほぼ同水準

夏季賞与の支給状況について、図表3-2には前年度調査の結果を示した。図表を見ると、「支給した」とする回答は71.8%となっており、今回の72.1%とほぼ同水準となっている。産業別では、建設業で割合が上昇する一方、製造業では下降している。

■図表3-2 平成29年度夏季賞与の支給状況(全産業720社)
※「景気動向調査No.108」(和歌山社会経済研究所、平成29年9月実施)より
図表3-2 平成29年度夏季賞与の支給状況

4.夏季賞与の支給額の増減(前年度比)

夏季賞与を支給した事業者のうち39.8%は支給額を「増加」させた
その割合は前年度調査の37.5%に比べて2.3ポイント高い

平成30年度における夏季賞与について、支給したと回答した事業者にその支給額の増減(前年度比)を質問したところ、約4割の事業者が「増加」したと回答した。

○「増加」との回答は製造業、建設業で多い

産業別に見ると、製造業、建設業で「増加」との回答が4割強を占める。

■図表4-1 平成30年度夏季賞与の支給額(全産業517社)
※「質問3 夏季賞与の支給状況」で「支給した」と回答した523社のうち、無回答6社を除く517社が集計対象。
図表4-1 平成30年度夏季賞与の支給額

○前年調査に比べて「増加」の回答割合が2.3ポイント上昇

夏季賞与の支給額について、図表4-2には、前年調査の結果を示した。図表を見ると、「増加」とする回答割合が前年度の37.5%から今回は39.8%に上昇していることがわかる。産業別では、全ての産業で「増加」との回答割合が上昇している。

■図表4-2 平成29年度夏季賞与の支給額(全産業512社)
※「景気動向調査No.108」(和歌山社会経済研究所、平成29年9月実施)より
図表4-2 平成29年度夏季賞与の支給額

5.正規雇用者数の増減(平成30年3月末比)

正規雇用者数が「増加」した事業者は18.9%
前年調査の16.3%からはやや上昇

調査時点における正規雇用者数を平成30年3月末時点の雇用者数と比較した場合の増減について、県内事業者に質問したところ、「増加」との回答が18.9%で「減少」の11.1%を上回った。

○「増加」とする回答は建設業で22.5%とやや多い

産業別に見ると、「増加」とする回答は建設業で22.5%とやや多く、商業では15.2%と少なくなっている。「減少」とする回答は建設業で13.5%、サービス業で12.5%となっている。

■図表5-1 平成30年度における正規雇用者数の増減(全産業721社)
※アンケートを回収した780社のうち、無回答59社を除く721社が対象。
図表5-1 平成30年度における正規雇用者数の増減

○前年調査に比べて「増加」したとする回答割合が上昇

前年調査(図表5-2)と今回調査(図表5-1)を比較すると、「増加」したとする回答割合が上昇し、「減少」したとする回答割合が下降している。

■図表5-2 平成29年度における正規雇用者数の増減(全産業717社)
※「景気動向調査No.108」(和歌山社会経済研究所、平成29年9月実施)より
図表5-2 平成29年度における正規雇用者数の増減

6.非正規雇用者数の増減(平成30年3月末比)

非正規雇用者数が「増加」した事業者は13.0%
平成26年度以降、「減少」との回答が増加傾向にある

調査時点における非正規雇用者数を平成30年3月末時点の雇用者数と比較した場合の増減について、県内事業者に質問したところ、「増加」との回答が13.0%で「減少」の11.7%を上回った。

○「増加」、「減少」ともにサービス業で回答多い

産業別に見ると、サービス業において「増加」とする回答が15.5%で最も多く、「減少」とする回答も14.5%で最多となっている。

■図表6-1 平成30年度における非正規雇用者数の増減(全産業616社)
※アンケートを回収した780社のうち、無回答164社を除く616社が対象。
表6-1 平成30年度における非正規雇用者数の増減

○「減少」との回答が増加傾向

前年調査(図表6-2)と今回調査(図表6-1)を比較すると、「減少」とする回答が建設業を除く全ての産業で増えた。「減少」との回答は、前々回調査の8.4%、前回調査の10.1%、今回調査の11.7%と徐々に増加している。

■図表6-2 平成29年度における非正規雇用者数の増減(全産業593社)
※「景気動向調査No.108」(和歌山社会経済研究所、平成29年9月実施)より
図表6-2 平成29年度における非正規雇用者数の増減

7.総人件費の増減(前年度比)

総人件費が「増加」したとする事業者は51.4%
平成28年度以降、増加傾向

平成30年度の総人件費の増減(前年度比)を質問したところ、「増加」とする回答が51.4%と過半数を占めた。

○「増加」とする回答は製造業で57.2%と多い

産業別に見ると、「増加」とする回答は製造業で57.2%と多く、続いてサービス業で55.2%となっている。「減少」したとする回答は商業で比較的多く見られた。これらの事業者には、景況感や業績状況の悪い事業者が多い。

■図表7-1 平成30年度の総人件費の増減(全産業720社)
※アンケートを回収した780社のうち、無回答60社を除く720社が対象。
図表7-1 平成30年度の総人件費の増減

○「増加」との回答が増えた

前年調査(図表7-2)と今回調査(図表7-1)を比較すると、「増加」とする回答が51.4%と前年調査の49.9%から増えている。前々年調査では「増加」との回答は43.9%であり、年々増加していることがわかった。

■図表7-2 平成29年度の総人件費の増減(全産業716社)
※「景気動向調査No.108」(和歌山社会経済研究所、平成29年9月実施)より
図表7-2 平成29年度の総人件費の増減

8.人件費の増加が収益に与える影響

総人件費が増加している事業者のうち約半数が
「収益を大きく圧迫」、「収益をやや圧迫」と回答

「質問7 総人件費の増減」において「増加」を選択した事業者に、人件費の増加が収益に与える影響について質問したところ、半数程度の事業者が「収益を大きく圧迫」(7.3%)または「収益をやや圧迫」(42.2%)と回答した。「収益に影響なし」とする回答は14.5%にとどまった。

○「収益を大きく圧迫」、「収益をやや圧迫」とする回答はサービス業で多い

産業別に見ると、サービス業で「収益を大きく圧迫」(11.9%)、「収益をやや圧迫」(44.8%)とする回答が多くなる一方で、建設業では「収益への影響は軽微」とする回答が40.5%と比較的多く見られた。

■図表8-1 人件費の増加が収益に与える影響(全産業358社)
※「質問7 総人件費の増減」で「増加」と回答した370社のうち、無回答12社を除く358社が対象。
図表8-1 人件費の増加が収益に与える影響

○「収益を大きく圧迫」とする回答がサービス業で増加

前年調査(図表8-2)と今回調査(図表8-1)を比較すると、大きな違いは見られないが、サービス業において、「収益を大きく圧迫」との回答が6.3%から11.9%に増加している。特に、飲食業、旅館・ホテル業で増加が目立つ。

■図表8-2 【前年調査】人件費の増加が収益に与える影響
※「景気動向調査No.108」(和歌山社会経済研究所、平成29年9月実施)より
図表8-2 【前年調査】人件費の増加が収益に与える影響

9.設備投資の実施及び予定

平成30年度の設備投資について「あり」とする回答が31.8%
前年調査の31.4%とほぼ同水準

平成30年度における設備投資の実施及び予定について県内事業者に質問したところ、31.8%の事業者が「あり」と回答した。予定「なし」とする回答は58.0%、「未定」は10.3%となった。

○「あり」は製造業で4割と多い

産業別に見ると、「あり」とする回答は製造業で38.7%と多くなっている。

■図表9-1 平成30年度の設備投資の実施及び予定(全産業702社)
※アンケートを回収した780社のうち、無回答78社を除く702社が対象。
図表9-1 平成30年度の設備投資の実施及び予定

○前年調査から大きな変化なし

前年調査(図表9-2)と今回調査(図表9-1)を比較すると、製造業を除く全ての産業で「あり」とする回答割合が上昇している。ただし、製造業で下降となった結果、全体では「あり」との回答が前年31.4%、今回31.8%とほぼ同じとなっている。

■図表9-2 平成29年度の設備投資の実施及び予定(全産業692社)
※「景気動向調査No.108」(和歌山社会経済研究所、平成29年9月実施)より
図表9-2 平成29年度の設備投資の実施及び予定

10.設備投資による業績への影響【複数回答可】

「売上高の増加」が38.0%、「業績に影響なし」が37.6%
「業績に影響なし」は前年調査に比べてやや減少

平成30年度における設備投資について、実施した(または実施予定の)事業者に、その投資による業績への影響について質問したところ、「売上高の増加」とする回答が38.0%となっており、「売上原価の削減」(14.0%)、「販売費及び一般管理費の削減」(9.5%)とする回答が後に続く。また、「業績に影響なし」とする回答が37.6%見られた。

○「売上高の増加」は製造業に多い

産業別に見ると、「売上高の増加」との回答は、製造業で47.6%と多くなっている。「売上原価の削減」、「販売及び一般管理費の削減」との回答は、製造業や建設業で多くなっている。

○前年調査と比べて「業績に影響なし」とする回答がやや減少

平成27年以降、同一の質問を実施しており、「業績に影響なし」とする回答は増加傾向にあった。ただし、今回の調査では、建設業、製造業、商業において「業績に影響なし」とする回答が減少し、全体でも2年ぶりに30%台まで低下した。

■図表10 平成30年度の設備投資による業績への影響(全産業221社)※複数回答可
※「質問9 設備投資の実施及び予定」で「あり」と回答した223社のうち、無回答2社を除く221社を集計対象としている。
図表10 平成30年度の設備投資による業績への影響
※(注)(  )内の値は前年度調査の値。「景気動向調査No.108」(平成29年9月実施)を参照した。

11.外国人雇用の有無 ※産業別

外国人を「雇用している」事業者は7.4%
製造業は18.1%、サービス業は10.0%

外国人の雇用(技能実習生、派遣社員の受け入れを含む)について、県内事業者に質問したところ、7.4%が「雇用している」と回答した。日本政策金融公庫総合研究所が全国の中小企業を対象に実施した調査では、13.4%が「雇用している」と回答しており、和歌山県よりも高い値となっている。

○製造業、サービス業で「雇用している」との回答が比較的多い

産業別では、製造業の18.1%、サービス業の10.0%が「雇用している」と回答しており、商業の2.8%、建設業の2.2%と比べると多くなっている。全国調査と比較した場合、建設業を除く全ての産業で、「雇用している」との回答割合は、全国が和歌山県を上回った。特に、製造業と商業でその差が大きい。

○飲食業、鉄鋼・金属製品製造業で「雇用している」との回答割合が高い

業種別では、飲食業(35.3%)、鉄鋼・金属製品製造業(27.8%)、旅館・ホテル業(21.7%)、機械・機械部品製造業(19.4%)などで「雇用している」との回答割合が高い。

■図表11-1 外国人雇用の有無(全産業725社)※産業別
図表11-1 外国人雇用の有無
※(資料)全国の調査結果については、日本政策金融公庫総合研究所「中小企業における外国人労働者の役割」(平成28年12月14日発表)を参照した。

11.外国人雇用の有無 ※従業員規模別

外国人を「雇用している」事業者は
従業員規模が大きい事業者ほど多い

外国人の雇用(技能実習生、派遣社員の受け入れを含む)について、「雇用している」事業者の割合を、従業員規模別でみたところ、従業員規模が大きくなればなるほど、「雇用している」との回答割合が上昇することがわかった。

全国調査と比較した場合、いずれの従業員規模においても、「雇用している」との回答割合は全国が和歌山県を上回っている。

■図表11-2 外国人雇用の有無(全産業725社)※従業員規模別
図表11-2 外国人雇用の有無
※(資料)全国の調査結果については、日本政策金融公庫総合研究所「中小企業における外国人労働者の役割」(平成28年12月14日発表)を参照した。

12.外国人の雇用形態【複数回答可】

「正規雇用」が59.3%で最多
「技能実習生」は29.6%、「留学生」は18.5%

質問11で外国人を「雇用している」と回答した事業者(54社)に、その雇用形態を質問したところ、「正規雇用」との回答が59.3%で最も多く、「技能実習生」(29.6%)、「非正規雇用(留学生)」(18.5%)、「非正規雇用(留学生除く)」(11.1%)が後に続く。

○製造業では「技能実習生」、サービス業では「留学生」が比較的多い

産業別に見ると、製造業では、「正規雇用」が72.7%、「技能実習生」が45.5%となっている。サービス業では、他産業に比べて「正規雇用」が40.0%と少ない一方、「非正規雇用(留学生)」が36.0%と多い。

■図表12 外国人の雇用形態(全産業54社)※複数回答可
※「質問11 外国人雇用の有無」で「雇用している」と回答した事業者54社を集計対象とする。
図表12 外国人の雇用形態

13.外国人を雇用する理由

「日本人の採用が困難」が58.0%で最多
「外国人の能力が必要」が28.0%で2番目に多い

質問11で外国人を「雇用している」と回答した事業者(54社)に、雇用する理由について質問したところ、「日本人の採用が困難」との回答が58.0%で最多となった。「外国人の能力(語学等)が必要」との回答が28.0%で2番目に多く、「国際貢献」(16.0%)、「専門性・高い技術を持った人材の確保」(14.0%)との回答が後に続く。

○「日本人の採用が困難」との回答はサービス業で比較的多い

産業別に見ると、製造業では「日本人の採用が困難」が52.4%で最多となる一方で、「専門性・高い技術を持った人材の確保」(28.6%)、「外国人の能力(語学等)が必要」(23.8%)との回答も多い。「専門性・高い技術を持った人材の確保」については、化学製品製造業、機械・機械部品製造業で回答が見られた。

サービス業では、「日本人の採用が困難」とする回答が63.6%とかなり多く見られた。「外国人の能力(語学等)が必要」との回答は27.3%で、旅館・ホテル業で回答が見られた。

■図表13 外国人を雇用する理由(全産業50社)※複数回答可
※「質問11 外国人雇用の有無」で「雇用している」と回答した事業者54社のうち無回答4社を除く50社 を集計対象とする。
図表13 外国人を雇用する理由

14.日本人を採用できない場合、外国人を採用(増員)するか

「採用(増員)する」が28.9%
「採用(増員)しない」が約半数を占める

日本人の採用が難しくなる中で、県内事業者に日本人を採用できない場合、外国人を採用(増員)するかどうか質問したところ、「採用(増員)しない」との回答が48.8%と約半数を占めた。「採用(増員する)」は28.9%で、「人材を採用(増員)する必要がない」との回答も22.3%を占めた。

○「採用(増員)する」との回答は製造業で約4割と比較的多い

産業別では、建設業や商業において「採用(増員)しない」との回答が過半数を占める。「採用(増員)する」との回答は製造業で約4割を占めており、比較的多い。

○木材・木工製品製造業、飲食料品小売業、飲食業で「採用(増員)する」との回答が過半数

業種別では、木材・木工製品製造業(58.8%)、飲食料品小売業(56.3%)、飲食業(56.3%)、繊維製品製造業(48.4%)、医療・福祉(47.4%)において、「採用(増員)する」との回答が多く見られる。

■図表14 日本人を採用できない場合、外国人を採用(増員)するか(全産業705社)
※アンケート回収780社のうち、無回答75社を除く705社を集計対象としている。
図表14 日本人を採用できない場合、外国人を採用(増員)するか

15.今後どのようにして事業を継続するか(外国人を採用[増員]しない場合)

「従業員の能力強化」、「無駄な業務の削減」に加えて
「採用活動の強化」との回答が多い

質問14「日本人を採用できない場合、外国人を採用(増員)するか」との質問で「採用(増員)しない」と回答した事業者に、今後どのようにして事業を継続するのかを質問したところ、「従業員の能力強化」との回答が42.7%で最多となっている。「採用活動の強化」(35.0%)、「無駄な業務の削減」(29.1%)、「一部業務の外注」(21.7%)との回答が後に続く。

○「設備投資による省力化」との回答が製造業で比較的多く見られる

産業別では、建設業では「採用活動の強化」(45.8%)、「従業員の能力強化」(43.8%)、「一部業務の外注」(39.6%)が多く、製造業では「設備投資による省力化」(36.9%)との回答も比較的多い。また、商業では「事業規模縮小」(21.3%)との回答も比較的多く見られた。

■図表15 今後どのようにして事業を継続するのか(全産業337社)※複数回答可
※質問14「日本人を採用できない場合、外国人を採用(増員)するか」との質問で「採用(増員)しない」と回答した事業者344社のうち、無回答7社を除く337社を集計対象とする。
図表15 今後どのようにして事業を継続するのか

おわりに

○県内景況BSIは9.0ポイント下降するも、比較的高い水準は維持

前回調査(4〜6月期)では、製造業、商業がけん引し、全体の景況BSIは約4年ぶりの高水準となったが、今回(7〜9月期)は、製造業、商業が反転下降し、全体の景況BSIは9.0ポイント下降した。ただし、比較的高い水準は維持している。建設業の景況BSIは2ケタのプラス圏、製造業、サービス業では業況良好な業種が複数見られる。留意点としては、人手不足感の強さ、仕入価格の上昇懸念の強さ、商業の業況の弱さが挙げられる。

○10〜12月期の県内景況BSIの見通しは、ほぼ横ばいだが、不透明感が漂う

7〜9月期にかけて多発した地震、台風等の自然災害は、企業活動に大きな影響をもたらした。民間エコノミスト予測では、今後は持ち直しに向かい、平成30年度の実質GDP成長率は前年比1.20%となる見通しだ。ただし、世界景気の先行きには不透明感が漂う。米国経済は良好ながら、中国間との貿易摩擦が激化している。その中国は7〜9月期の実質GDP成長率が前年比6.5%まで減速した。英国のEU離脱交渉は難航しており、EUとの通商協定なしでの離脱となれば、関税や通関手続きなどが余計にかかり、企業活動に悪影響をもたらす。最近の国内景気は、好調な輸出、国内企業の設備投資に支えられているが、世界景気の先行き不安が強まれば、輸出、設備投資ともに停滞しかねない。このように、県内経済を取り巻く情勢は不安定な状態にあり、10〜12月期の県内景況BSIはほぼ横ばいの見通しとなっているが、その動向には注意が必要である。

○人手不足感が強まる中、外国人雇用について、「採用しない」が約半数を占めた

県内事業者の26.2%が「人材不足」を経営上の問題点としており、人手不足感はますます強まっている。そのような状況の中で、政府は、外国人に対して新たな在留資格を設け、建設、介護など人手不足感の強い業種を中心に、外国人労働者の受け入れ拡大を表明した。

現在、県内事業者のうち、外国人を雇用する割合は7.4%と低く、製造業やサービス業の一部業種に限定される。今後の外国人雇用についても、「採用(増員)しない」との回答が約半数を占めた。ただし、製造業や飲食業、医療・福祉では「採用(増員)する」との回答が半数前後を占めるなど、日本人採用が難しくなる中で、外国人に頼らざるを得ないと考える事業者も少なくない。

外国人の雇用は、地域社会全体に関わる事象であり、日本語の習得支援や地域の受け入れ体制の整備など、相応の準備が必要だ。さらに、新興国を中心に賃金水準が上昇しており、外国人材の獲得競争は激しくなっている。外国人の採用を希望しても、簡単に採用できる環境ではなくなりつつあり、事業者、住民、行政等による協働が欠かせない。

研究所では、外国人雇用について、定期的に県内事業者の意向を確認しながら、課題提起を行っていきたい。

このページのトップへ